こんにちは、ルルママです。
今回は青山美智子さんの『月曜日の抹茶カフェ』をご紹介します。
『月曜日の抹茶カフェ』は『木曜日にはココアを』の続編になります。
マーブル・カフェの定休日にちょっとしたイベントとして開かれた「抹茶カフェ」をめぐる東京と京都のお話です。
【1 月曜日の抹茶カフェ(睦月・東京)】
いつも運が悪いと思っている女性が、偶然、抹茶カフェに訪れたことで、不運ではなくてラッキーなんだと物事のとらえ方を変えるお話です。
ノリの良さと運の良さは比例する
確かに、やるか?やらないか?迷った時に、やった方が後味がスッキリしますよね。一歩前に動き出した方が、確実に成長につながっていると思います。運気も上がっているかも!
【2 手紙を書くよ(如月・東京)】
話したことや思い出をすぐ忘れてしまうと奥さんに怒られてしまった男性のお話です。抹茶カフェで奥さんが買ったお茶を求めて、マーブル・カフェを訪れて…ランジェリーショップで心救われるお話。
【3 春先のツバメ(弥生・東京)】
ランジェリーショップの経営者が、何を大切にしていくかに気づくお話です。肌に直接着ける肌着は、自分のためにこだわって欲しいという熱意が伝わってきます。
母親になると特に、自分のことは後回しにして、家族のことを最優先してしまいますよね。
今どきの子育てって、自分最優先なんだと若いママに聞きました。わたしは、自分最優先にはできないけど、このお話を読んで、もっと自分のことを大切にしてあげないといけないと感じるようになりました。
【4 天窓から降る雨(卯月・東京)】
結婚を直前でやめた女性とそっと寄り添ってくれる友達のお話です。
自分が大切にしてきたことを軽んじられて、価値観の違いを感じて、結婚をやめた女性。自分のことを一番に大切に考えて出した結論でした。まだ涙は出るけど、「いいんだよ」と全肯定で認めてくれる友達がそばにいてくれれば、胸を張って進み出せます。
【5 拍子木を鳴らして(皐月・京都)】
紙芝居をライフワークとしている女性のお話です。忙しい両親の代わりに育ててくれた祖母に対して、色んな感情が湧いてきて、感情を表に出すことの大切さを知ります。
宮沢賢治の作品が紹介されていて、わたしもちゃんと読んでみたいと思いました。
【6 夏越の祓(水無月・京都)】
老舗和菓子屋のタヅおばあちゃんのお話です。嫁いできてから、ずっと、タヅさんが大切にしてきたもの…和菓子やお店や孫娘。その温かさを感じて、ほんわかします。
【7 おじさんと短冊(文月・京都)】
京都の町で野良猫生活を送る白いネコのお話です。野良なのに、その町の人々に可愛がられるネコ。でも、そのネコの1番好きなのは古本屋のおじさん。ネコ目線の物語です。
【8 抜け巻探し(葉月・京都)】
脱サラして古本屋になった男性のお話です。妻に迷惑をかけていないか、心配でたまらない。古本のイベントに出店して、店番をしてくれた妻に、古本屋の存在意義を知ってもらえるお話です。
【9 デルタの松の樹の下で(長月・京都)】
愛知県から京都の大学に進学した、ちょっと冴えない男の子のお話。1ヶ月だけ付き合った女の子に未練タラタラだったけど、もっと冴えない友人の潔さにより、ヒエラルキーの見え方が変わってきます。
人が輝く場所もタイミングも、それぞれやと思うで
【10 カンガルーが待っている(神無月・京都)】
マスターとマスターに見出されたオーストラリア人のお話です。マスターは才能があって埋もれてしまっている人を見出して、うまく世に認められるようにすることが誇らしくて嬉しいらしい。
マスターみたいな人に、わたしも巡り合いたいです。
俺は思うんだけど、望み通り想定したままのことを手に入れたとしても、それだけじゃ夢が叶ったとは言えないんだよ。そんなふうに、どんどん自分の予想を超えた展開になって、それをちゃんとモノにしていくっていうのが、本当に夢を実現するってことなんじゃないかな
マスターの言葉は重みがあります。
この世に生まれて落ちたときから、僕たちはただどこまでも繋がり続けている。
【11 まぼろしのカマキリ(霜月・東京)】
たっくん、ゆうくん、るるちゃんの3人が学校帰りに神社に寄り道するお話です。『月曜日の抹茶カフェ』では異色のお話。
大きなカマキリを追いかけて、神社に行き、カマキリの卵を見つけて…宮司さんに「みんなみんなで育てる」と言われます。
昔は子ども達はみんなで育てていましたよね。地域の人との関わりがたくさんありました。現代は少し淋しいです。
前編での言葉(引用で表示しています)の「繋がり」と同じですね。色んな人の関わりで、わたし達の運命は繋がっています。
【12 吉日(師走・東京)】
1番はじめのお話の続きのお話であり、裏話でもあります。抹茶を点ててくれた吉平くんのお話です。
親の敷いたレールの上を歩く人生だった彼が、自分の意思で歩くことを始めます。恋の力の素敵さが伝わってきます。
『月曜日の抹茶カフェ』も数珠つなぎのようにお話が続いていきます。抹茶というだけあって、ちょっとほろ苦い、趣のあるお話ばかりです。
あなたはどのお話が気に入りましたか?
出版情報
『月曜日の抹茶カフェ』
著者 青山美智子
ミニチュア製作・カバー写真 田中達也
出版社 株式会社宝島社
発行日 2022年9月9日 第1刷発行
最後までお読みいただきありがとうございました。ごきげんよう。
コメント