【青山美智子:著】優しい気持ちになる物語を読みたい人にオススメ『木曜日にはココアを』を読んでみた

こんにちは、ルルママです。

今回は青山美智子さんの『木曜日にはココアを』をご紹介します。第1回宮崎本大賞を受賞した作品です。

青山美智子さんの『木曜日にはココアを』は、短編のお話に出てきた登場人物が次のお話の主人公になるところが素敵です。短編なのに続いていく。まさに数珠つなぎ。また所々に色々なキャラクターが散りばめられていて、見つけた時に嬉しくなります。あなたも見つけてくださいね♪
(わたしは、キャラクターが混乱してしまい、備忘録としてキャスト紹介をしています。)

【1 木曜日にはココアを(Brown/Tokyo)】

数々の傑作を生み出している青山美智子さんの第一話はマーブル・カフェで働くワタル君の密かな恋心から始まります。

キャスト:

  • ワタルくん
  • マスター
  • タイトスカートを穿いた頭の良さそうな女の人
  • ココアさん
  • エアーメールの相手(メアリー)

【2 きまじめな卵焼き(Yellow/Tokyo)】

第二話はバリキャリの朝美が卵焼きに奮闘するお話。
卵焼きって、作り手のコンディションが出る食べ物だと思いませんか?わたしも毎日お弁当を作るので、卵焼きを作り続けています。毎日同じように作っているはずなのに、その日のコンディションで焦げたり、味が濃かったり。体調が良く落ち着いた精神の時は、ひときわプルンとした綺麗な黄色の卵焼きが焼けます。

キャスト:

  • 朝美(第一話のタイトスカートを穿いた女性)
  • 拓海(朝美の息子)
  • 輝也(朝美の夫)
  • ボーダーシャツを着たママ(添島瑠々ちゃんママ)
  • ギャラリーオーナー(マスター)
  • えな先生

【3 のびゆくわれら】

第3話は幼稚園のお話。
誰かを喜ばせることは自分の喜びにつながりますね。タイトルが「のびゆくわれら」というのも感慨深いものがあります。お話の中に、うちのルルちゃんと同じ園児の名前が出てきて、嬉しくなりました。

キャスト:

  • えな先生
  • 萌香ちゃん
  • 泰子先生
  • 添島瑠々ちゃんのママ
  • マコちゃん(えな先生の従兄弟 :時々、CANVASに寄稿している)
  • 萌香ちゃんママ

【4 聖者の直進(Blue/Tokyo)】

第4話は第3話に出てきた泰子先生のプライベートのお話。
相手の身になって考えることの大切さが伝わるお話です。サムシング・フォーをご存知ですか?

キャスト:

  • 泰子
  • 理沙
  • (ひろゆきさん)
  • マーブル・カフェ
  • 最近話題のアーティストが描いたトリックアート(輝也の作品)
  • ランジェリーショップの女性

【5 めぐりあい(Red/Sydney)】

第5話は新婚旅行でシドニーに行くお話。
新婚旅行の理沙とひろゆきさん。結婚50年の記念旅行のおじいさんとおばあさん。50年も一緒にいると「この人がわたしで、わたしがこの人になっていくんです」という感じに「同じになっていく」らしい。わたしの祖父母も70年くらい一緒にいて、背格好は全く違うけど、とても穏やかな空気感が伝わってきました。たぶん、同じになっていたんでしょうね。

キャスト:

  • 理沙
  • ひろゆきさん
  • CANVAS
  • 小柄なおばあさん
  • 小柄なおじいさん
  • (ピー :おじいさんとおばあさんの一人娘でランジェリーショップを経営している)

【6  半世紀ロマンス(Grey/Sydney)】

第6話はおばあさんの娘の話やマーブル・カフェや恋愛結婚のお話。
おばあさんがとてものろけてくれています。50年も同じ人を好きって偉大ですね。

キャスト:

  • おばあさん(美佐子さん)
  • おじいさん(進一郎さん)
  • (ピー :おじいさんとおばあさんの一人娘でランジェリーショップを経営している)
  • マーブル・カフェ
  • ワタルくん
  • (秋の桜)
  • 陽介さん
  • ウェイトレスさん(手首に緑色のブレスレットをつけている女性)
  • ロリキート(カラフルな鳥)

【7  カウントダウン(Green/Sydney)】

第7話はとても神秘的なお話。
緑が好きすぎて、周りから煙たがれて生きてきた女性が精霊?に出会うお話です。

キャスト:

  • 優(You:緑色に魅せられ続けている女性)
  • 仲の良さそうな老夫婦(進一郎さんと美佐子さん)
  • CANVAS
  • (マコ :CANVASでコラムを書いている)
  • オレンジ色のエプロンをつけたサンドイッチ屋のおじさん
  • 細身でサラサラ茶髪の男の子(精霊?)
  • マスター
  • ボタニックガーデンの絵

【8 ラルフさんの一番良き日(Orange/Sydney】

第8話は、ラルフさんの恋心のお話です。
ラルフさんは自分と関わった人を心から大切にする陽だまりのような笑顔の持ち主です。

引用:

心理テストです。何色が好き?
どうして?これはね、『なりたい自分』なんですって。何色を選んだのかということよりも、その理由の方に解答があるの。

わたしも自分に問いかけてみました。何色が好き?どうして?

キャスト:

  • ラルフさん
  • シンディ

【9 帰ってきた魔女(Turquoise/Sydney)】

第9話は、魔女になりたかったシンディのお話です。第8話の話の裏側がよくわかります。
日本では子どもによく使う魔法の呪文「ちちんぷいぷい」が出てきます。不思議と転んだヒザの痛みとかなくなりましたよね?

キャスト:

  • シンディ
  • グレイス先生
  • マコ
  • ラルフ

【10 あなたに出会わなければ(Black/Sydney)】

第10話は、グレイスの友達のアツコのお話。
グレイスは植物とお話ができて、植物のお告げを聴ける魔女みたいです。そのグレイスの導きで、ボタニックガーデンで結婚式を行うことが、実はこの本のストーリーの始まりなのです。

マスターって所々に出てきて、不思議な人物だと思いませんか?
マスターは「俺の役割って、すごい力を持っているのに埋もれちゃっているヤツを引っ張り出して、世の中に伝えたり広めたりすることだから。好きなんだよなあ、夢が現実になる一歩前の感じ」と言ってます。

誰かのために、彼は起点となって人を動かすのだりマスターと出会わなかったら世に放たれることのなかった光がたくさんあるのだろう。

キャスト:

  • アツコ
  • グレイス
  • マーク
  • ピーちゃん
  • マスター
  • (ボタニックガーデンの絵)
  • エアーメールを書く女性
  • (マコ)
  • (You)

【11 トリコロールの約束(Purple/Sydney)】

第11話はトリコロール柄のエアーメールで育まれた友情の物語です。
年齢も国籍も違うのに心の友になるって素晴らしいですね。

キャスト:

  • メアリー
  • マコ
  • 秋の桜(ジャカランダ)

【12 恋文(White/Tokyo)】

最後の第12話はココアさんがココアさんへの初めてのラブレターを書くお話です。
お互いに片想いして、お互いに相手のことを心の中で「ココアさん」と読んでいるなんて面白いですね。恋が実るといいですね。

キャスト:

  • マコ(第1話のココアさん)
  • ココアさん(ワタル君)
  • マーブル・カフェ
  • マッシュルームカットの男の子(拓海)
  • 若いお父さん(輝也)
  • メアリー

出版情報
『木曜日にはココアを』
著者 青山美智子
出版社 株式会社 宝島社
出版日 2019年8月20日 第1刷発行

最後に

「店は狭かったけど、なんともほっとする空間だった。行き場のない僕に、「席」があることがなんだかありがたく思えた。初めて訪れたのに自分の部屋に帰ってきたような安堵感。チェーン店のがちゃがちゃした騒がしさとは対極だった。」

「いつもの場所です。好きなところにいるだけで、元気になることもあると思います。」

わたしも、いつもの場所が欲しい。自宅でも職場でもない、いつもの場所。居心地の良い場所。わたしにとってのマーブル、カフェを見つけたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。ごきげんよう。

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